![]() 今更ながらに「ジョゼと虎と魚たち」を見た。 テレビで最後のほうを偶然見てしまったのであまり見る気になれず、 でもきちんと見たいともやもやしていたので見た。 雀荘で働く大学生が、ベビーカーを押す老婆に朝方出会い、ご飯をご馳走になる。 老婆が押すベビーカーには娘が乗っていて、足が不自由。 男は不自由ない大学生活を送りながら、その親子に惹かれていく。 男は結構どうしようもない感じ、友達も軽い人たち。 娘と男は結ばれるのだが、最後で結局あきらめがあり、 単なるよい話ではないところが、この映画のよいところなのだと思う。 コメンタリーも見たのだが、監督(犬童一心)と出演者(妻夫木聡、池脇千鶴)の意見が 結構食い違っていて面白かった。 映画監督は感情の機微に非常に敏感で、まわりを納得させる力があり、 それを映画というかたちにする超人的な職業だと思っていたのだが、 どうやら完璧に、とはいかないみたいだ。 それだけ人の感情というものは常に揺れ動き、 それぞれが異なるものを持っているということだろう。 ![]() ヤンファーブルの舞台「寛容のオルギア」を見た。 ヤンファーブルはベルギーのアーティスト、緑色の昆虫の屍骸でかたち作られたドレスが有名だが、 ドローイング、演劇、振り付けと、マルチな活動を続ける作家だ。 今回はいきなり出演者が自慰をするところから始まる。 4人の出演者が、それぞれ監督のような人間に鼓舞されながら何度も繰り返す。 しかし途中で泣き出す。 やがて、出演者が個人の性欲のためではなく、個人の消費に基づいて行動していることがわかる。 はじめはしゃかりきな出演者たちはおとなしくなり、やがて涙していく。 こういったシーンが断片的につなぎ合わされ、時には差別的な発言、ときには 性的な表現とともに進行していく。 用いている表現方法は多少乱暴なところはありつつも、上記のような内容にも関わらず ダンスシーンあり、笑いあり、ジョークあり。きちんとエンターテインメイントしていた。 エンターテインメントなのだが、消費とは、資本主義とは、そしてタイトルの「寛容」とは? 「オルギア」とは?といった疑問を個々人に投げかける、主張の鋭い演劇だった。 席の関係で字幕が見づらくなければとても面白かった。 ![]() シアターコクーンにて行われている舞台「桜姫」を見てきた。 知り合いのパーカッショニスト、熊谷太輔さんが出演していたのでチケットとっていただきました。 「桜姫」は歌舞伎版と現代劇版があり、今回見に行ったのは現代劇版。 奇跡を起こすと話題になっている男セルゲイが、16年前に心中を図った人の生まれ変わりのような 女を追ってスラムへ向かう。そこで女は結婚するはずだったが実は子供がいて・・・ ストーリーはなかなか難解。 時間軸がいったりきたり、事実もなかったものがあることになったりなくなったり。 難解なストーリーなのだが、音楽の出てくるタイミングや出演者の間合いがよかったりするので 都合3時間にもわたる舞台があっという間に見終わった印象。 ただシリアスということもなく、ただお笑いということもなく。 大舞台にもなると、そういった偏りも感じさせずにエンターテインメイントに仕上げるのだなあ、と 感服しきり。 ![]() 映画「キサラギ」を見た。 1年前に自殺したアイドル如月ミキを追悼するため、ファン5人がパーティーを開く。 ネットを通じて知り合った5人はお互いのことをよく知らないままパーティーが始まり、 そこから自殺について疑い出し、それぞれの素性が明らかになっていく。 見始めたときには「展開速いなー。途中で息切れしないかな」と思ったが、事態は二転三転。 あっという間の2時間だった。 展開があまりに急、かつすごい方向にいくのでちょっとひっかかる部分もありつつも、 きちんと2時間で物語をまとめているところはすごい。 2時間一本、舞台は基本的にワンシーン、というところを考えると映画というよりは演劇に近い。 回想シーンなどを考えるときの写真をアニメーションさせる手法は 押井守の「立食師列伝」みたいだった(こっちは未見)。 同じ人なのかな? ![]() 映画「誰も知らない」を見た。 自由奔放な母。 近所に迷惑がられるから、と存在がないように部屋で暮らす4人の子供。 母は旅行に行く。いつ帰ってくるかわからない。 お金が底をつきそうになった子供はかつての父たちにお金を借りにいく。 それぞれの子供は父が違うようだ。 かつての父たちはとてもドライに子供たちに接する。 母はそれでも帰ってこない。 子供たちは学校に行きたがる。 友達欲しさに大事なお金でゲームを買ったりおごったりしてしまう。 電気が止まり、水道が止まる。 近所の公園で洗濯し、トイレも済ませる。 それでも母は帰ってこなく、お金がたまに来るだけ。 子供の一人が椅子から落ちて死んでしまう。 死体をトランクに入れて羽田空港に捨てにいく。 パイロットだった父が働いていた羽田空港へ。 これが実際の事件にヒントを得て(ディテールは違うようだ)制作されたというのだから驚く。 子供たちがかわいそう、とももちろん思うが、子供たちが非常に強く自立して生きていく姿に感銘を受ける。 もちろん、不登校の女子高生やコンビニの人から助けを得ながらではあるが、 非常に機転を利かせてなんとか生きていく。 色々な方面から、色々な想いを喚起させる映画。 ![]() 映画「どんてん生活」を見た。 パチンコ屋開店前に並ぶ二人、男の誘いによって裏ビデオのダビングの仕事を始める。 ボスと呼ばれる男、そこに住む女優。 パチンコ、ダビング、パチンコ、ダビング。 元妻に会ったり、万引きして捕まったり。 なんの保障もなく、なんの未来もないけれども、そこには笑顔がある。 まあ生きてりゃいいか、という最後の台詞が表すように、 なんとか生きていける現代を非常によく表現している映画。 監督は「リンダリンダリンダ」「くりいむレモン」の山下敦弘。 音楽は赤犬。 大学の卒業制作でこのクオリティ、成熟度。 これからもこのコンビの作品を見ていきたい。
たまには日記らしい日記を。
● namy ![]() DJ高波くんの2ndアルバム「namy purple」にて 全曲レコーディング、ミックス、ベースを担当しました。 http://www.namy.jp/ 6月28日(日)渋谷JZ Bratにてリリースパーティーが行われます。 namyバンドでも演奏しますが、ゲストバンドとしてeartも出ます。 ● vusik ![]() eartのリーダー関口慎悟くんのリーダーバンド「vusik」のアルバム 『Cinematic scenery is here』のミックスを担当しました。 2009.6.24.Release OMOCD-0058 TOY'S FACTORY MUSIC 2,625yen(Tax In) ● eart ![]() 初のワンマンライブやります! eart -one man live- http://eart.nu/ 18:30 OPEN / 19:30 START FRONT ACT :松井優子 ■会場:代官山LOOP ■チケット:adv: 2,500yen (d別)、door: 3,000yen (d別) 個人的に大ファンの松井優子さんをゲストにお迎えし、たっぷりお届けします。 この日限定のCDも販売する予定です。ミックスも頑張りますよ。 ぜひぜひお見逃しないように!! ![]() 映画「揮発性の女」を見た。 「鬼畜大宴会」「アンテナ」などで知られる熊切和嘉監督作品。 ガソリンスタンドで働く未亡人と、銀行強盗をして逃げる男が一緒に住み始めるもの。 短い時間のなかで被害者と加害者が恋に落ちるのを描くのは難しいのか・・・ 苦しい点もいくつかあったが、熊切監督はやはりどこかで何かを残していく。 無邪気なコギャルへの嫉妬、若い男への執拗な性の要求、 殴打された警官を助けるのではなく一緒に写真を撮影するヤンキー。 いやな気持ちが起こるが現実味たっぷりな演出。 フィクションであるようなノンフィクションのようなものを描く、そして 人間の嫌な部分をさらけ出す。 先日ドラマ「トンスラ」も全話見たのだけど、 その中の一部を熊切監督が担当していたらしい。 ![]() ああいう支離滅裂なものをやらせたらとてもいい。 ![]() 吉田アミ「サマースプリング」を読んだ。 世界で見てもなかなか稀有なヴォイスパフォーマーである吉田アミが、 自分の中学生の頃の体験をつづった小説。 淡々と進む学校生活、ルールに縛られまくった教師、日に日に発狂していく母と祖母。 生きていく意味が見出せない生活の中で巡らされた思考の数々。 かなり凄まじい生活を淡々と、そしてどこか不思議な色彩を持った文体で表現している。 山田詠美「僕は勉強ができない」などと通じる、生きにくいがどこか魅力的な主人公。 これがノンフィクションだとはなかなか信じ難い。 吉田アミがどういう活動をしている人なのかを知っていると、 こういうバックグラウンドがあったから、ああいった声を出してパフォーマンスするのか、 といった感想を持てるが、何も知らない人がこの本を読んだらどういう感想を持つのだろうか。 ![]() 映画「くりいむレモン」を見た。 前述の「メゾンドヒミコ」のオーディオコメンタリーを見ていたときに監督の犬童一心が言ってた一言。 「この社長と不倫している女の子は、山下敦弘監督の『くりいむレモン』の主役やってた娘なんだよね。山下監督が起用した人だってことですぐに僕も起用した。そういう信用できる監督が2,3人いるんだよ」 それってすごいことだ。 「この人が使ったなら」と信頼される。しかも山下監督は「リンダリンダリンダ」を撮影してヒットを飛ばしたけれどまだ若手といって差し支えない年齢。 気になるなあ。 と思って見てみた。 ストーリーとしては、親の再婚によって兄弟となることになった二人。 もともと仲が良かった二人、さりげなく意識して、さりげなく嫉妬して。 そして結ばれるが親に見つかってしまう。 逃げていき、なんとかしなくては、と追い詰められる二人。 短い話。 もともと有名なエロアニメだったが、それはもっと短くて15分くらいだったそうだ。 15分にエロが凝縮されていたために映倫に引っかかり30分くらいになったらしい。 全体的に色味少な目なトーン。 そういった中で描かれる繊細な心理模様は儚いだけにずっと目を奪われてしまう。 山下監督の他の作品が見てみたい。 内輪ネタだが山下監督は見た目はキーボーディストの鈴木潤さんに似ている。
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