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町でいちばんの美女

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チャールズ・ブコウスキー著 「町でいちばんの美女」を読んだ。

日雇いで稼いだ金はすぐにバーで使ってしまい、女の金を頼りに生きる。
そういったいわゆる駄目な男にまつわる話が満載。

タイトルになっている話は、とても短い話で、表現も短い言葉が多いが
それだけに想像力をかきたて、深い時間感覚を味あわせてくれる。
詩人として活躍していた人だけに、こういったことができるのだろう。

美しい話もある反面、人間の醜さ、愚かさなども赤裸裸に描かれている。
実力主義そのものであるようなアメリカの輝かしい表面の裏には、
敗北にまみれ、生きる意義や希望などを失いきった人間がゴマンといる。
そういった人々は大衆から疎んじられ、嫌われながらも
自分のことを信じて生きている。
そこにブコウスキーが言うような人間らしさがあるのだろう。
by olga-tanake | 2010-11-30 14:08
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